
頼るツテがないから、目の前の怪しい雰囲気の男の思わず着いて行ってしまい、一緒に住む様になったは良いが・・・
この、典型的な末っ子気質はどうにかならないものだろうか?
雑誌と視線と彼女の台詞。
「ダンテ・・・お前、絶対末っ子だったろう?」
「何で断定なんだよ?」
拗ねたような台詞を吐く男は本当に年上なのだろうかと疑いたくなる彼女である。
溜息を吐きながら、床に投げ出されている雑誌を拾い上げる。男性向けのファッション誌のページをぱらぱらと捲りながらソファーに座る。
「あぁ、このズボンは動きやすそうだ」
彼女のただいまの格好は大きめの黒のTシャツに、ジーンズと言う、きわめて動きやすさを重視した格好である。
色気も何もあったものではない。第一、借り物である。
「・・・おまえ、美人なんだからさぁ・・・もっと色っぽいと言うか、女っぽい格好しろよ」
「ひらひらするものは苦手なんだ。着物なら良いんだが」
隣に座ったダンテもファッション誌を覗き込む。
カジュアルスーツを着こなしたモデルが写っている写真が並ぶページを眺めて、しきりに頷いている。
黒に白のポイントの入ったジャケットを見て、ダンテの顔を見て、モデルと見比べて納得した様に頷く。
「・・・んだよ?」
「いや、あんたの方が似合いそうだと思って」
さらりと言い放ってページを捲る。
「へぇ?本職のモデルより、俺ってイイオトコ?」
「あぁ。少なくとも、ここに写ってるモデルよりイイオトコだと思うが?」
カサ・・・・
二人の間に沈黙が横たわり、ページを捲る音だけが部屋に響く。
何だか口説き文句を聞いたような気がしないでもないが、は完璧に無自覚だろう。
そう言う意味では彼女は鈍い。
「、キスしてイイ?」
「・・・何でだ?」
「いや、何となくだけど」
「却下。そう言うのは私を口説き落とせたらやるんだな」
「口説き落としたら、文句ないワケ?」
「普通はそうだろう?」
何を言っているんだとばかりに言い放ち、雑誌から視線を上げ、ダンテを見やる。
視線の先の顔はにやりと不適な笑みを浮かべている。
「着やせするタイプだよな。って」
「どこ見て言ってんだ、この馬鹿は。もぅ、触るなって」
「いーじゃねぇか。たまにはベタベタしようぜ?」
隣に座っている彼女の腰に抱きつき、徐々に体重をかけてソファーに押し倒し、胸に顔を埋め、満足そうに笑っているダンテ。
は呆れたような声で退くように促しながら、雑誌をテーブルに投げる。
「重いから体重をかけるな、馬鹿」
「・・・気持ち良いからヤだ」
さらに深く抱き込んで感触を確かめる様に、頬擦りをするダンテの頭を軽く叩いて深い溜息を吐く。
「あんたは甘えん坊のガキか・・・でかい図体で、まったく・・・ほら、どけって」
「もうしばらく、こうさせててくれよ・・・マジで気持ちイー・・・」
ふにふに・・・
柔らかな胸の感触を楽しみながら目を閉じたダンテの頭を再び叩き、視線を自分の方に向かせる。
「んな変な体勢のまま昼寝するな。寝るなら寝室行け寝室」
「・・・あぁ、そっか」
面倒くさそうに起き上がって、頭をかき、ソファーに押し倒していたを見下ろす。
襟がズレて見えている鎖骨や肩の線が、妙に色っぽく思えてならない。
にやりと笑って、起き上がろうとしていたをヒョイッと抱き上げる。
所謂、お姫様だっこと言うやつだ。
「んじゃ、寝室に行くか」
「・・・私まで行く必要ないだろう。降ろせ」
「嫌だ。には抱き枕になってもらう」
「馬鹿な事ほざいてないで、さっさと降ろせ!」
「降ろさない」
そのままギャーギャーと喚くを寝室に連行して、騒ぎすぎてぐったりした彼女を抱き枕に、昼寝を満喫したダンテだった。
えんど?
おまけ
数日後の青い空が清々しい午後の『Devil May Cry』。
「なー、・・・」
「・・・なんだ?」
「一緒にひる・・・・」
「却下に決まってるだろ」
「即答かよ!?」
「あんたと昼寝すると、寝返り出来なくって腕が痺れるんだ」
「・・・・」
そんな理由をざっくりと言い放つ彼女はある意味最強。